情報伝達を助ける手法「SBAR(エスバー)」

看護師が申し送りで含めるべき内容を分かりやすく覚える手法として「SBAR(エスバー)」という考え方があります。最初の「S」は、状況説明を意味します。これは、今患者さんがどんな容体にあり、どんな治療を受けているのかという現状を伝えることを指します。

次の「B」はバックグラウンド、つまり患者さんに関連した情報や観察点などです。たとえば、体温が下がっている状態であることや、会話がうまくできなくなっている、酸素投与の方法などが挙げられます。

「A」は看護師が自分の目で見た上で評価した点や考えたことをいいます。具体例を出すなら、数時間前よりも容体が悪くなっているように見えるとか、発作が生じている、食欲が落ちているように感じるといったことです。

「R」は、看護師の視点での提案です。容体の変化が見られるようなら、担当医師にコールした方が良い、何らかの検査をした方が良いため準備しておいてほしいなどといった内容になります。

このSBAR(エスバー)を意識することで、情報を整理して伝えるべき内容をしっかり伝達することが可能になります。ポイントは、事実や観察、そして意見や提案を分けて考えて記載するということです。こうすることで、客観的な申し送りとなりますし、次の勤務者が知るべきこと、そして実行すべきことをすぐに把握できます。また、担当以外の医師が確認する上でも分かりやすい内容となるため、より正確なケアをするうえでも役立ちます。

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